「妊娠したことをいつ職場や上司に報告しよう?」「つわりがつらくて休みたい・・・」「会社は辞めるべきか?休職にするべきか?」そんな妊婦さんの仕事の悩みに経験者が語ります。
体験談1:子どもと向き合う時間が作れて、退職を選んでよかった
ちゃみっこ(1976年生まれ/子供3人/調理師)です。私は医療の検査会社で医療検体の集配業務をしていました。妊娠報告は妊娠5カ月目でした。
集中力とスピードが求められる仕事だったので、つわりでいつも通りの動きができなくなったことが大変でした。集配業務のため、車の移動がメインだったので、事故を起こさないように気を付けました。人手が足りなかったので、職場での配慮はしてもらう余裕がありませんでした。
妊娠6カ月まで続けて退職しました。子供が生まれたら出来るだけそばにいてあげたいと思ったので、産休という選択肢は考えなかったです。
自分的には、動けなくなる限界まで働きたいと思ったのですが、義父に、「妊婦が車を運転するのは危険だ!」と指摘を受け、何かあっても責任は取れないと思い、やむを得ず早くに退職しました。
正直、人手の少ない職場だったので、このような急な退職は職場に迷惑をかけてしまったと思います。
私の場合、自分では仕事を続けたいと思ってはいたものの、義父の意見で退職をしました。でも、「退職」という選択肢を選んで良かったと思います。仕事をやめたおかげで、お腹のなかでの赤ちゃんの成長を細かく見てあげることができたし、家の中の片付けや掃除、出産準備に時間をさくことが出来たからです。
きっと、動けなくなるまで仕事をしていたら、家の中が片付かないまま赤ちゃんを迎えていたと思います。赤ちゃんは産まれると、幼稚園にあがるまでずっと手がかかります。うちの子は特に甘えん坊で私にべったりだったので、復職も難しいものがありました。
休職ではなくて、退職したおかげで、気兼ねなく子育てサークルに通ったり、公園に行ったり、子供にじっくり向き合えたのが良かったと思います。一生忘れがたい、とても大切な思い出がたくさんできました。
体験談2:なるべく早めに退職して、時間を作るべき
カッチ(1983年生まれ/子供1人/元看護師&韓国在住)です。私は韓国へ語学留学をする学生(一般人も含む)向けのマネージメントと、アジア進出する日系企業の人材募集・教育を行っている会社でアルバイトをしていました。事務、翻訳、留学生サポート、ブログ管理の業務を任されていました。妊娠報告は妊娠8週目です。
座り仕事でしたが、お腹が大きい時期よりも妊娠初期のつわりの時期がもっとも辛かったです。黙っていると気持ち悪さを感じやすく、眠気も強かったです。でも、 友人が代表を勤める会社だったので、かなりわがままを聞いてもらい、配慮もたくさんしてもらいました。
まず、地下鉄で通勤していたので、通勤退勤ラッシュにぶつからないように、午前11時から午後4時のシフトにしてもらいました。また、食べつわりで空腹になると気持ち悪くなるので、業務中に間食することを許してもらいました。本当に体調が悪い日は休みをもらうことも多々ありました。
仕事は出産予定日の2ヵ月前まで続けました。アルバイトだったのもあり、産休に関する規定がありませんでした。そのため、産前8週前から休みたいことを伝えて、3月いっぱいという切れの良い時期に退職することにしました。
産後、子どもを預ける目処もつけていなかったので、復帰するとしてもいつになるかわからない状況でした。そのため、一旦アルバイトは完全にやめて、育児に専念するつもりでいました。
主人には相談という形ではなく、決定事項として伝えました。産後の育児が落ち着いて、子どもが保育園や幼稚園に通うころには、韓国で専門職を活かした仕事をしたいと思っていました。
韓国での資格取得の勉強や医療・看護に関する仕事をすることを考えていたので、私の専攻ではなかったアルバイトの仕事には戻るつもりはありませんでした。
専業主婦になって気づいたこと
妊娠中は、アルバイトと大学院との両立で、自分の時間がほとんどなくなってしまいました。なので、今となってはアルバイトをもっと早めにやめて、もう少し自分の時間を作ったほうが良かったかなという思いもあります。
今は、専業主婦として1年半の子どもに付きっきりで育児をしています。結婚前は、「出産したら子どもを預けてすぐに仕事をしたい」と思っていました。ですが、韓国に住むことになり、子どもを預けて仕事をすることが叶わなくなりました。
そのため、半分は仕方なく専業主婦をしています。でも、今はこれで良かったと思っています。子どもが幼くて、母親の手が必要な時期は本当に短いことを知ったからです。
そして、子どもが大きくなれば、経済的な問題で必ず仕事をしなければならない状況は来ると思っています。そのときが来れば、嫌でも仕事をしなければならず、嫌でも子どもは親の元からどんどん自立していってしまいます。
なので、一番可愛くて一番母親が必要な時期に、なるべくたくさんの時間を過ごすことができているので、退職で良かったと思っています。
体験談3:お金よりも健康が大切だから、つらいなら退職
マヤ(1979年生まれ/子供3人/看護師)です。私は病院で看護師をしていました。妊娠報告は妊娠3か月目です。
妊娠初期はとにかくつわりがつらかったです。朝起きて仕事に行くにも朝が一番つらく、自分の車の運転で体調が悪くなってしまったくらいです。
仕事は、患者さんをベッドから車椅子に移乗することが多い職場だったので、力仕事は配慮していただきました。それから、食事が一度に取れなかったので、常にチョコレートを持ち歩いていました。
仕事の間にもフラフラしてしまうので、更衣室やトイレに駆け込んでチョコレートを食べたりと、なんとか乗り越えていました。
職場の人には弱音を吐くこともありませんでしたが、本当に体調が悪いときは朝から動けないので、仕事を休んでいました。職場の人は優しく「少し休んで大丈夫だよ」と声をかけてくれる人もいますが、全員ではありません。
中にはため息をつかれたり、冷たい態度もされました。ですが、できない仕事も多かったので、負担をかけてしまっていたかもしれません。
母から言われた言葉で退職を決断
妊娠報告をしてから3週間で退職しました。理由は妊娠悪阻です。通勤時間は1時間で、車通勤ということもあり、もう限界でした。つわりがつらくて母親に相談をしたのですが、そのときの言葉が私の決断に至りました。
「仕事はいくらでもあるし、やる気になればいつでもできるけど、お腹の子供は今だけよ、大切にしなさい。」と言われたとき、スーッと肩の荷が下りたように楽になり「もう無理はしない!自分の身体を大事にしよう」と決めました。
「考え方を変えただけでこんなに楽になるのかー」と、すでに妊娠悪阻でグッタリしていたこともあり、そのまま職場へ報告しました。
体調にもよりますが、あまりにも心身ともにつらい場合は退職という決断はアリです。仕事は多少無理をしなければならないときもありますし、「あのとき辞めていればよかった」という後悔だけはしてほしくありません。
私が仕事を辞める決意をしたのは、「仕事を辞めてもその後のポジションは、自分の頑張り次第でどうにかなる!」という強い思いからです。「この先のことなんて誰にもわからないんだから、だったらお腹の赤ちゃんを大切にしていこう!」と思いました。
今も後悔はありません。「自分の身体を大切にしていてよかった」と、元気な子供たちを見て思います。おかげで、今では看護師にも復職できました。お金の心配もありましたが、私はお金より健康をとりましたよ(笑)無理は禁物です!今しかない時間を大切に、そして自分自身も大切にしてください。
体験談4:退職に後悔はないけど、ブランク後のイメージは大切
ヨカっち(1976年生まれ/子供4人/自宅出産)です。私は独立行政法人で、機器管理グループの事務サポートをしていました。具体的には、コピー機のようなハード系機器のリース管理と、コンピューターアプリケーションのライセンス管理が主でした。
ほかは、書類作りなどの事務作業です。昼休み以外は、朝から夕方までほとんど社内デスクでのPC作業でした。
妊娠報告は妊娠5週目です。ただし、「妊娠」とは言いませんでした。派遣社員として1年半働いただけだったので、派遣会社の営業さんには事情を話しましたが、現場の上司には知らせませんでした。
座ってのパソコン事務がほとんどだったので、つわりがあるときは気を紛らせるのが難しかったです。仲のいい同僚にしか妊娠を公表していなかったので、どうしても気分が悪いときは、トイレで休憩していました。
仕事は割とすぐ辞めました。「辞めたい」と派遣営業さんに伝えてから約一ヶ月後、妊娠8週くらいのときでした。派遣社員だったので、そもそも産休の選択肢はありませんでした。でも、産休制度があっても退職したと思います。
家庭の都合で最初の会社を退職して以来、勤続に障害があるときには退職するという考えかたになっていましたし、「復職」は「またちゃんと迎えてもらえるのか?」と不安で、逆に勇気がいることに思えました。
なので、子育てが一段落して社会復帰するときに、また新しい職を探すほうが気持ち的に楽でした。「一段落するのは何年後か?」という具体的なことまでは、考えていませんでした。
ダンナは、私と違ってひとつの職場に勤続していました。彼の収入は安定していましたし、私は多少の貯金もあり、当面の家計に2人とも不安は感じていませんでした。なので、方向はカンタンにまとまりました。
専業主婦を11年続けてわかったメリットとデメリット
私は今、11年のブランクを経て社会復帰を目指しています。そのなかで、自分が無視した選択肢「休職」のメリットは、相当大きいと感じています。慣れた職場と同僚というのは、急には手に入らないからです。
周りを見ると、先輩ワーキングママは大きく分けて次の2種類です。
- 「産休を取り、明けて復帰」を繰り返して同じ会社に勤続しているママ達
- ブランクを経て、飲食店などのパートとして勤務をしているママ達
ママとして働くには、短い勤務時間、休みやすさ、扶養控除内で収めたい・・・など、職場に対し求めることが多いです。それを気持ちよく受け入れてくれる会社を探すのは大変ですし、こちらは子供都合で振り回される身。そう自信満々に「何でもします!」とは言えません。
つまり、妊娠前の仕事探しとは、まったく条件が違うわけです。融通のききやすいパートタイマーに流れるママが多いのは、「こういうわけなんだ」と私は思っています。
ただ、過去の自分を振り返って、「産休が明けたら、すぐに赤ちゃんを保育園に預けて働く」ことは、考えられませんでした。自分の子は、最低でも3歳までは自分でお世話したかったのです。なので後悔はしてません。
このように、私はまだ復帰のカタチを模索中ですが、これから「産休か退職か」を考える妊婦さんは、ぜひブランク後の社会復帰のイメージを持ってみてほしいと思います。「やりたい子育て」のイメージを比べて優先事項を決めると、より後悔のない選択ができると思いますよ。