葉酸サプリクラブ管理人(サプリメントアドバイザー&サプリメントマイスターの笹目)です。
杏林製薬株式会社の「赤ちゃんのささやき葉酸」ですが、「1日1回一粒で良いから楽」「産婦人科の窓口にもサンプルが置いてある」ということで、利便性も高く人気の葉酸サプリメントです。「産婦人科に置いてある=良い」というイメージ論ではなくて、原材料や成分、添加物などサプリメントのプロが口コミ評価したいと思います。
杏林製薬の「赤ちゃんのささやき葉酸」をプロが辛口チェック
- 飲みやすさ(粒の大きさ、ニオイ、味)
粒は薄い黄色で味やニオイもありません。1日1粒で良く、約8ミリの大きさで、のどに引っかからず飲みやすいです。
- 会社・代表者の信頼性
杏林製薬株式会社は1923年の創業された製薬会社です。代表は宮下三郎さん。ホームページでは社長メッセージを顔写真入りで寄せています。「患者さんや医療に携わる方々から信頼され、社会に存在意義を認められる医薬品メーカー」を掲げ、一般消費者向けよりも医療現場で求められる商品の開発に力を入れています。
主な商品としては、環境除菌・洗浄剤「ルビスタ」、哺乳瓶や乳首の消毒液「ミルトン」、風邪薬の「クールワン」、飲み会のお供「キョークルミン」があります。
医療関係者向けの情報提供、新薬をつくりだす創薬研究、新薬の有効性と安全性を調べる臨床開発など、「医薬品メーカー」として幅広く活動しています。ホームページを見ても、医療・医薬品へのこだわり、医療機関等との関係の透明性の提示もありますし、真面目で信頼感のある企業という印象です。
医薬品メーカーとして、透明性のあるクリーンな活動をしています。
- 製造・検査体制
製薬会社ですので、工場は当然GMP規格です。さらに「GMPの高度化」の取り組みとして、すべての工場で「ISO14001(環境マネジメントシステム)」と「OHSAS18001(労働安全衛生マネジメントシステム)」の認証を取得しています。“環境にも働く人にも優しい工場”づくりに取り組み、品質の維持向上に努めています。
社員の働きやすい工場にすることで、社員の意識を高め、品質の高い製造を維持し続けています。
- 原材料(添加物)の信頼・安全性
麦芽糖、コーンスターチ、結晶セルロース、ショ糖エステル、葉酸
非常にシンプルな原材料です。栄養素は葉酸のみです。
麦芽糖
麦芽に含まれる酵素で、デンプンを分解して得られる糖です。サプリを固める凝固剤の役割です。コーンスターチ
とうもろこし由来のでんぷんです。とうもろこしは、遺伝子組換え原料を使っている可能性もありますが、杏林製薬にメールで3回問い合わせても、遺伝子組換えかどうかの回答が来ませんでした。まぁ、うちは「遺伝子組換え原料を使っています!」なんて回答が来るとも思えませんので、遺伝子組換えは使っていないはずですが、「メールの問い合わせが機能していない」という欠点が露呈されました。
結晶セルロース
小林製薬の葉酸、ベネッセの「鉄+カルシウム+乳酸菌(EC-12)配合葉酸サプリ」でも使われています。日本医薬品添加剤協会(JECFA)の評価では、予防的措置として含有量が制限されている添加物です。ショ糖エステル
ショ糖エステル(乳化剤)は、JECFAの評価ではADI(一生食べ続けても問題のない量)が設定されています。「安全性が高いです!」と言えるものではありません。麦芽糖やコーンスターチは添加物ではなくて、「食品」に分類されるはずですが、栄養素ではなく、サプリメントを形成されるために使われているという意味では、添加物と言えます。そうなると、ネイチャーメイド葉酸(大塚製薬)と同じで、99.9%が添加物のカタマリということになります。
とうもうろこしが遺伝子組換えなのか、3回問い合わせても回答が来ませんでした。「ショ糖エステル」「結晶セルロース」も若干気になります。
- 配合成分の過不足
赤ちゃんのささやき葉酸は、鉄が配合されていませんので、妊活期~妊娠初期におすすめな葉酸サプリとして成分チェックしていきます。( )内は妊娠初期の量。
杏林製薬葉酸 推奨摂取量 平均摂取量 耐容上限量 判定 葉酸(μg) 400 640 243 1000 ビタミンB6(mg) 0 1.2(1.4) 0.95 45 ビタミンB12(μg) 0 2.4(2.8) 4.3 なし ビタミンC(mg) 0 100(110) 69 なし 鉄(mg) 0 6.5(9) 6.5 40 カルシウム(mg) 0 650 430 2500 葉酸の種類は、モノグルタミン酸型の葉酸(合成葉酸)です。
葉酸以外、何の栄養素も含まれていません。栄養素というのは、それ単体ではうまく働きません。食事から十分に摂取できていれば良いですが、そうでない場合は最低限ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンCが欲しいところです。特にこれら水溶性ビタミンは、体内に摂り溜めができないため、その時に同時に摂取する必要があります。
体内で有用に働かせる意味でも、不必要な添加物を減らす意味でも、栄養素をもっとバランス良く配合して欲しいところです。
葉酸単体で体内でうまく働いてくれるのか疑問です。
結論:葉酸以外の99.9%が栄養成分ではない。
杏林製薬の「赤ちゃんのささやき葉酸」は、日本全国の病院(約1,600施設)にサンプルを提供しているため、「産婦人科で見かけた」という人も多いと思います。そういう意味では、安心・信頼度の高い葉酸サプリメントと言えます。
また、商品パッケージに「葉酸(プテロイルモノグルタミン酸)」と表記している点も評価できます。厚生労働省が妊娠3ヶ月までに推奨しているのは、合成葉酸(プテロイルモノグルタミン酸)のサプリメントですので、それをしっかり明記しているのはわかりやすいです。
さすが透明性を重視している企業です。嘘偽りがないです。こういった企業姿勢が多くの産婦人科で取り扱われているゆえんだと思います。
しかし、残念なのが原材料、栄養成分の含有量です。葉酸以外はすべて添加物です。杏林製薬の意図としては、食事で十分に栄養が摂れている人向けに、あえてこのような配合成分にしているのだと思います。確かに、食事から他のビタミン類もしっかり摂れていれば、葉酸だけ補えば良いです。
ところが、葉酸というのは非常に容量が少ない栄養素です。単位は「mg」ではなくて「μg」です。1000分の1です。ゆえに、葉酸単体のサプリメントを作るには、他の栄養素や添加物(賦形剤=ふけいざい=サプリの形状をつくるためにカサ増しする添加物)で大幅に補う必要があります。杏林製薬の葉酸の場合は栄養素ではなくて、添加物で補ってしまっています。
気になる添加物はショ糖エステルと結晶セルロースくらいで、危険性のある添加物は使われていません。危険性は高くはないのですが、栄養素も高くないサプリメントです。
サプリメントというのは「栄養補助食品」です。栄養を補助するために飲むのに、大部分が栄養のない添加物で占めているというのは、「サプリメントの価値としてどうなのだろう?」と疑問に感じます。それが1ヶ月あたり345円という安さに表れています。
食事から他の栄養素もバランス良くしっかり摂れていて、葉酸を体内で効率的に働かせることができて、添加物のカタマリからわずかな葉酸を摂取したい人ならおすすめできますが、そうでない人は他の栄養バランスの良いサプリメントから葉酸を摂取することをおすすめします。
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