葉酸サプリクラブ管理人(サプリメントアドバイザー&サプリメントマイスターの笹目)です。
小林製薬株式会社の「葉酸 鉄 カルシウム」ですが、着色料、香料、保存料は無添加のサプリメントのようです。それ以外の添加物に危険性がないのか、妊婦でも安全なのか、日本ニュートリション協会公認サプリメントアドバイザーが辛口でレビューします。
小林製薬株式会社の「葉酸 鉄 カルシウム」をプロが辛口チェック
- 飲みやすさ(粒の大きさ、ニオイ、味)
直径は8ミリです。ツルッとした舌触りで無味無臭で飲みやすいです。
- 会社・代表者の信頼性
小林製薬といえば、ユニークな名称の家庭用品を大量に販売している会社です。設立は大正8年。小林製薬の何かしらのCMを一度は見たことがあると思います。
アイボン、アンメルシンヨコヨコ、ニューアンメルツヨコヨコ、タムシチンキパウダースプレー、サカムケア、ビフナイト、フェミニーナ軟膏、ラナケイン、のどぬーるスプレー、命の母、ナイシトール、ガスピタン、生葉、イージーファイバー、ブレスケア、やわらか歯間ブラシ、タフデント、パーシャルデント、タフグリップ、サラサーティーコットン100、熱さまシート、サワデー、トレイの消臭元、トイレその後に、ブルーレットおくだけ、キムコ、なめらかかと・・・私は全部聞いたことのある商品です。
代表は小林章浩さんで、ホームページには顔写真付きで社長挨拶を寄せています。「あったらいいなをカタチにする」をコンセプトに、「こんなものが欲しかった」「買ってよかった」と喜ばれるヒット商品を連発している企業です。商品力、ネームバリューが半端ないです。
また、小学校に洋式トイレをプレゼントしたり、障害者の雇用活動をしたり、環境保全に取り組んでいたりと、CSR活動にも積極的です。
一度聞いたら忘れないユニークなヒット商品を連発している小林製薬。大正時代から続く歴史のある企業です。
- 製造・検査体制
製薬会社ですので、自社工場は医薬品の製造管理基準であるGMPに準拠しています。さらに、「健康補助食品GMP適合認定証」も取得し、栄養補助食品においても医薬品と同等レベルの製造基準を守っています。
また、原産地の調査、約400種類もの残留農薬検査を行ない、商品は全て自社で研究・開発しています。毎日摂り続ける栄養補助食品だからこその着色料・香科・保存料を使わない無添加にもこだわっています。
そして、配合する全ての成分とその含有量を、パッケージ&ホームページに表示するという徹底ぶりです。隠しゴトは一切しない商品販売姿勢は安心できます。
製薬会社だからこそのこだわりを感じられます。特に全成分表示が素晴らしいです。
- 原材料、添加物の信頼・安全性
粉末還元麦芽糖、デンプン、デキストリン、結晶セルロース、未焼成カルシウム、クエン酸第一鉄ナトリウム、ビタミンC、ショ糖脂肪酸エステル、シェラック、ビタミンB6、ビタミンB1、葉酸、ビタミンB12
「無添加」とのことですが、着色料・香科・保存料以外の添加物は使われています。気になるのは「結晶セルロース」と「ショ糖脂肪酸エステル」です。
結晶セルロースは、パルプを鉱酸で分解し、非結晶領域を除いて得られたものです。ブドウ糖が鎖状に結合した「セルロース」(毒性なし)とは異なります。JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)による安全性評価では、「ヒトへの毒性を示唆するとの証拠はない」とされています。
しかし、それにも関わらず予防的措置として許容摂取量を設定しているという状況です。(参考:結晶セルロース|日本医薬品添加剤協会)「今のところ毒性の証拠は出ていないけど、毒性なし!と断言するにはまだ不十分」といったところでしょうか。
同じく、ショ糖脂肪酸エステルも許容摂取量を設定しています。ネイチャーメイド葉酸のレビューで解説しましたように、あまり積極的に摂るものではありません。
ちなみに、光沢剤として「シェラック」を使っています。日本ダグラスラボラトリーズのフォーリックアシッド(葉酸)、AFC葉酸サプリ、プレミンでも使われてています。
シェラックはカイガラムシという虫の分泌物から作られています。安全なものですが、カイガラムシの写真を見てしまうと「うわ、気持ち悪い・・・」と思ってしまうかも知れません。(閲覧注意:カイガラムシの写真)
ショ糖脂肪酸エステル、結晶セルロースだけがちょっと気になる添加物です。
- 配合成分の過不足
小林製薬の葉酸鉄カルシウムは、鉄が15mg以下ですので、妊活開始~妊娠初期まで用として成分チェックしていきます。( )内は妊娠初期の量。
葉酸鉄カルシウム 推奨摂取量 平均摂取量 耐容上限量 判定 葉酸(μg) 480 640 243 1000 ビタミンB6(mg) 1.7 1.2(1.4) 0.95 45 ビタミンB12(μg) 2.3 2.4(2.8) 4.3 なし ビタミンC(mg) 95 100(110) 69 なし 鉄(mg) 13.5 6.5(9) 6.5 40 カルシウム(mg) 90 650 430 2500 葉酸の種類は、モノグルタミン酸型の葉酸(合成葉酸)です。
葉酸が480μg含まれているのが特徴です。サプリメント「だけ」で妊婦の1日の葉酸推奨量を達成できます。ただし、サプリでの葉酸は400μg以上を摂ることは推奨されていません。
医師の指示なく、400μg/日以上使用してはいけません。
合成葉酸は1日1,000μgまでが推奨されていますので、摂り過ぎないように気をつける必要があります。ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンCは含まれてさえすれば良いので、合格です。
惜しいのが商品名にも入っている「カルシウム」です。90mgしか含まれていません。妊婦のカルシウムの平均摂取量が430mg、推奨摂取量が650mgですので、220mgは入れて欲しいところですが、90mgしか入っていません。
カルシウムは現代人は不足しがちで吸収されにくい栄養素ですので、ここはしっかりカバーしておきたいところでしたが・・・。商品名にも入っているのに、なぜこんな少しだけなのか疑問です。また、カルシウムの働きを助けてくれるマグネシウムも入っていません。
葉酸が400μgをオーバーしているのと、商品名にも入っているカルシウムの含有量が物足りないです。
結論:栄養バランスは及第点だが、価格が安すぎるのが気になる
小林製薬株式会社の「葉酸 鉄 カルシウム」ですが、さすが製薬会社だけあって品質管理や情報開示姿勢が素晴らしく、安心できます。特に、ホームページに全成分の内訳を表示する姿勢は、他のメーカーも見習うべきだと思います。
着色料、香科、保存料を使用していないことへのこだわりも評価できます。ただ、葉酸が400μgを超えていること、添加物に「結晶セルロース」が使われていること、栄養素のカルシウムの少なさが気になりました。カルシウムは商品名にも入れているのに、100mgにすら満たいないのは何なのだろう?と思いました。
他メーカーでカルシウムをアピールしている葉酸サプリ(マルチビタミン・ミネラルタイプ)の場合は、200mg~250mg入れています。そうなると、他社より少ない100mg以上は還元麦芽糖やショ糖脂肪酸エステルに当てられているのでは?と勘ぐってしまいます。
これらは何の栄養もありませんので、ここは不足しがちな栄養素であるカルシウムで補って欲しかったです。ちょっと残念です。
そして、気になるのが「価格」です。1ヶ月わずか950円(税抜き)という低価格設定です。「葉酸 鉄 カルシウム」はマルチビタミン・ミネラルに属するサプリメントですが、マルチビタミン・ミネラルサプリメントが1,000円以下というのはちょっと安すぎて逆に原材料の質が不安になります。安くても2,000円前後が妥当だと思います。
サプリメント選びの際に、価格は結構重要な要素になります。あまり安すぎるサプリは原材料の調達ルートに不安が募ります。カルシウムが少ない分、賦形剤(=ふけいざい=サプリの形状をつくるためにカサ増しする添加物)で補っているのでは?という気もします。
製薬会社ですので、工場での製造・加工工程の安全性は高いです。全成分の開示姿勢も素晴らしいのですが、妊婦が必要としている栄養素をもう少し補って欲しかったというのが、正直な感想です。
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