葉酸サプリクラブ管理人(サプリメントアドバイザー&サプリメントマイスターの笹目)です。
葉酸サプリメントの正しい選び方を探して当サイト「葉酸サプリクラブ」に辿り着いた人は本当にラッキーです。というのは、他のどこの誰が書いたのかわからないサイトは嘘だらけだからです。特定の葉酸サプリメントを売りたいがために嘘ばっかり書いています。
私はサプリメントアドバイザーの資格を持っていますので、嘘を書くわけにはいきません。(参考:サプリメントアドバイザー証明写真)また、サプリメントアドバイザーとして学んだことだけでなく、自主的にサプリメント関連書籍から学んだことや、最も公正中立で客観的な「公的機関」から出されている情報も加味しながら、「真実」をお伝えしていきます。
それでは、巷の葉酸サプリメント紹介サイトの「嘘」を暴いていきますので、間違った知識をここでリセットしてください。
嘘1:合成ではなく、天然葉酸のサプリメントを選びましょう!(←嘘)
これは海外の天然葉酸サプリメントを売るための売り文句です。厚生労働省は「栄養補助食品(サプリメント)から1日に400μgの葉酸」を摂ることを推奨していますが、これは天然の葉酸ではなくて、「合成の葉酸」のほうを推奨しています。(証拠:e-ヘルスネット(厚生労働省))
これはどういうことなのか説明します。葉酸は大きく分けて2種類存在します。ひとつが、ほうれんそうなどの食品に含まれている食事性葉酸(プテロイルポリグルタミン酸型)、もう一つが栄養強化剤として工業的に製造されているモノグルタミン酸型の葉酸(プテロイルモノグルタミン酸)です。
この「食事性葉酸=天然葉酸」と「モノグルタミン酸型葉酸=合成葉酸」のうち、厚生労働省がサプリメントで1日400マイクログラムの摂取を推奨しているのは、「モノグルタミン酸型葉酸=合成葉酸」のほうになります。
なぜ、厚生労働省は合成葉酸のサプリメントを推奨しているのかと言うと、天然葉酸と合成葉酸では体内利用効率に大きな差が出てしまうからです。サプリメントに添加されている合成葉酸は、体内での利用効率が85%なのに対して、天然葉酸(食事性葉酸)は、代謝過程に多くの段階を踏むために利用効率が50%程度に低下してしまうのです。
また、葉酸を使った大規模疫学研究では、全て栄養補助食品(合成葉酸)が使用されていて、食事性葉酸は「理論的には効果があると推定されるが、現時点では証拠が得られていない状況」です。
なので、「健康な赤ちゃんの発育に欠かせない栄養素」として葉酸を体内に取り込むためには、食事性葉酸から400μgではなくて、「モノグルタミン酸型葉酸=合成葉酸」を食事に加えてサプリメントからも400μgを摂取するように推奨しているのです。
もし、食事と同じ「天然葉酸を摂れる」と豪語するサプリメントがあった場合、利用効率が半減してしまいますので1日400μgでは足りません。1日800μg摂取する必要があります。ただし、これも理論上の話であって、「天然葉酸なら800μg摂れば良い」という証拠となる研究データはありません。
嘘2:天然の葉酸サプリメントは安心安全です!(←嘘)
これも「天然素材、自然素材」=「安心安全」という刷り込みをして、天然素材のサプリメントを売ろうとしているだけです。厚生労働省は「錠剤、カプセル状等食品の原材料の安全性に関する自主点検ガイドライン」の中で次のように注意喚起をしています。
原材料の中に天然に微量に含まれる毒性物質も濃縮されているおそれがあり、過剰摂取等による健康被害の発生を防止する観点から、その安全性確保についてはより一層の注意が必要である。
天然素材、自然素材のサプリメントは、アレルギーの原因になったり、農薬などの有害物質・不純物が混ざる可能性があります。より一層の注意が必要なのです。「天然素材、自然素材なら安心」「合成は危険」という短絡的な考え方ではなくて、合成・天然問わず、徹底した管理下の元で製造・加工されているかどうかを確認することが大切です。
これは上記の厚生労働省のガイドラインもそうですし、ほとんどのサプリメント関連書籍で「天然は安全そうだから」という言葉のイメージで選ぶのは避けるように書かれています。(参考記事:天然素材で無添加の葉酸サプリメントが安全だと勘違いしている人へ
また、NPO日本サプリメント協会では、巧妙な売り方をしている「危ないサプリメント」の例として、「天然素材をやたら強調したもの」には注意するように喚起しています。なので、「合成は危険だから天然を選びましょう!」などと書いているサイトがあったら、疑ってかかってください。
嘘3:妊娠後期に合成葉酸を摂取すると、子供が喘息になる(←嘘)
これも危険と不安を煽って、天然葉酸サプリメントを売ろうとする手口です。まず、「合成葉酸を妊娠後期に摂取すると、子供が喘息になる」という報告は存在しません。
存在している報告は1998年~2005年にかけて行われたオーストラリアのコホート研究で、「妊娠後期(30~34週)に1mgの合成葉酸サプリメントを飲んでいた場合には、子供が3.5歳の時点で喘息になるリスクが1.26倍高かった」というものです。
参照1)Effect of supplemental folic acid in pregnancy on childhood asthma: a prospective birth cohort study. – PubMed – NCBI
参照2)独立行政法人国民生活センター報道発表資料
つまり、過剰に「1mg」もの葉酸サプリメントを飲んでいたのが原因です。1日400μgではなくて、1000μgも飲んでいたからです。なので、厚生労働省は、「葉酸摂取量は1日1mg(1000μg)を越えるべきではない」と勧告をしています。
サプリメントは手軽に効率よく葉酸を摂取できてしまうために、結果として過剰摂取が起きやすく、このような報告が存在しているのです。天然葉酸を食事から1000μgも摂取し続けるのは不可能に近いですからね。妊娠後期にそんな苦労をしてまで葉酸を摂取する人なんていないでしょう。
さらに、先ほどの「1mg」の調査報告は2005年で終了したものです。そこから5年後の2010年3月~2011年3月に行なわれた調査では、1日36,000μg未満(36mg未満)であれば「真逆の結果」が出ています。「72,000μg以上」だと危険という結果です。(参照:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25449200)
そもそも、厚生労働省が通常の食事に加えて1日に+400μgの合成葉酸の摂取を推奨しているのは、妊娠1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月目までです。妊娠後期に通常摂取量に加えて、サプリメントで葉酸を摂る必要はありません。
ただし、日頃から野菜不足などで通常の推奨摂取量にすら達してなくて、食事のみで足りない場合は、サプリメントで補うことは有用です。妊娠後期の葉酸推奨摂取量(480μg)を食事のみで満たすのは、かなり難しいです。
妊娠初期に葉酸サプリで合成葉酸を摂取する際は、1日1000μgを超えないようにすれば、安心して飲めるものです。そうでなければ、厚生労働省はわざわざモノグルタミン酸型葉酸(合成葉酸)の摂取を推奨しません。
モノグルタミン酸型葉酸「400μg」という数値は、多量摂取による健康障害を考慮して、研究に使われた数値で最も低かった360μgを平滑化して400μgに設定しています。何も知らずに400μgにしているのではなくて、安全性を考慮して400μgに設定しているのです。(参照:厚生労働省公表資料(PDF))
ちなみに、上限の「1,000μg」には食事性葉酸は含まれていませんので、サプリメントのみで1,000μgを超えなければ問題ありません。
では、どのような基準で葉酸サプリメントを選べばいいの?
以上、ネット上に蔓延している嘘情報の裏側をお伝えしました。「天然葉酸は安全!」「合成葉酸は危険!」という単純な話ではないことがおわかりいただけたと思います。信頼できる情報元である厚生労働省はどんな情報を発信しているのか、しっかりと事実確認をしてください。(参考:厚生労働省発表資料)
もちろん、逆も同じで「天然葉酸は危険!」「合成葉酸は厚生労働省が推奨しているから安全!」などと煽るつもりもありません。妊娠時期に合わせて目的がしっかり達成できる選び方をお伝えするまでです。
では、どのような基準で葉酸サプリメントを選ぶのが良いのかというと、プロが教える!葉酸サプリの正しい選び方10箇条で解説した10項目に、妊活中、妊活開始~妊娠初期、妊活中期~後期という各時期ごとに必要なチェック項目をクリアできたものを選んでいきます。
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