葉酸サプリクラブ管理人(サプリメントアドバイザー&サプリメントマイスターの笹目)です。
株式会社ベネッセコーポレーション(たまひよSHOP)の「鉄+カルシウム+乳酸菌(EC-12)配合 葉酸サプリ」ですが、「たまごクラブ」の葉酸特集で自社開発商品として紹介されている商品です。添加物の使用状況、安全性、危険性を日本ニュートリション協会公認サプリメントアドバイザーが辛口でレビューします。
ベネッセコーポレーションの「葉酸サプリ」をプロが辛口チェック
- 飲みやすさ(粒の大きさ、ニオイ、味)
直径7mmと小さく、平たい丸型。無臭に近いですが、ビタミン剤っぽいニオイが多少します。味もせず、表面がツルッとしているので飲みやすいです。口に入れてからすぐには溶けませんが、5秒ほどで溶け始め、無味なのにあまり美味しくない変な粉の味がするので、早めに水で飲み込みたくなります。
飲みやすいサイズですし、すぐに飲み込んでしまえば変な味も気になりません。
- 会社・代表者の信頼性
ベネッセコーポレーションといえば、通信教育講座「進研ゼミ」で有名な企業です。こどもちゃれんじ、たまごクラブ、ひよこクラブ、いぬのきもち、ねこのきもち、サンキュ!、月額制の妊娠講座befa!ビーファなど情報コンテンツをメインにしつつ、ベビーウェア、マタニティウェアなどの衣類、グッズも販売しています。
私も小中学生の頃は進研ゼミを受講していましたので、思い入れのある企業です。当時は「福武書店」という社名でした。
代表は知る人ぞ知る原田泳幸さん(※)。元・アップルコンピュータの社長で、2004年にマクドナルドのCEOに就くや否や、安売り戦略に失敗していたマクドナルドを短期間で立て直した敏腕社長です。2014年6月から新しい経営体制をスタートするということで、ベネッセの社長に就任しました。
ところが、就任して間もなく、例の「個人情報流出事件」が発生します。顧客情報漏洩件数3504万件という、前代未聞の数字です。しかも、漏洩した名簿は子供の名簿で、他社の教育会社に売買され、子供の名義で勝手にダイレクトメールが届くという、子を持つ親からしたら怒り心頭の事件でした。
これによって、ベネッセは上場後初の赤字に転落し、ブランド力や信頼は地に落ちてしまいました。外部委託会社の社員の犯行で、ベネッセ社員が悪さをしようとしてやったことではありませんが、信頼回復には当分時間がかかると思います。
※代表者について
2016年6月で代表の原田泳幸さんは退任して、現在の代表は小林 仁さんになっています。
前代未聞の個人情報漏洩事件で会社の信頼性は大急落。頑張って建て直して欲しいです。
- 製造・検査体制
どんな工場でどうやって製造管理されているのか何の情報もありません。「製薬会社との共同開発」とありますので、この製薬会社との提携工場ならGMP認定工場だと思いますが、詳細は不明です。とにかく、品質や製造に関する情報がホームページ上に何もありません。
どんな工場で製造されているのか情報が何もありません。これでは判断できません。
- 原材料、添加物の信頼・安全性
乳酸菌末(殺菌)・ミルクカルシウム・結晶セルロース・ピロリン酸鉄・還元麦芽糖水飴末・ナイアシン・ステアリン酸カルシウム・ビタミンB12・ビタミンB6・パントテン酸カルシウム・ビタミンB2・ビタミンB1・葉酸(原材料の一部に乳含む)
この中で気になるのは「結晶セルロース」です。小林製薬の葉酸鉄カルシウムでも使われていました。毒性の確認はされていないけど、100%問題ないとは言い切れない微妙な添加物です。それ以外で気になる添加物は使われていません。
ただし、ミルクカルシウムが入っていますので、乳製品アレルギーの人、乳糖に抵抗力がない人は気をつけたほうが良いと思います。
結晶セルロースだけがちょっと気になります。乳製品アレルギーの人も要注意です。
- 配合成分の過不足
たまひよ葉酸サプリは、鉄が13.5mgですので、妊活中~妊娠初期まで用として成分チェックしていきます。( )内は妊娠初期の量。
たまひよ葉酸 推奨摂取量 平均摂取量 耐容上限量 判定 葉酸(μg) 400 640 243 1000 ビタミンB6(mg) 1.1 1.2(1.4) 0.95 45 ビタミンB12(μg) 2.4 2.4(2.8) 4.3 なし ビタミンC(mg) 0 100(110) 69 なし 鉄(mg) 10.5 6.5(9) 6.5 40 カルシウム(mg) 10 650 430 2500 葉酸の種類は、モノグルタミン酸型の葉酸(合成葉酸)です。
「鉄+カルシウム+乳酸菌(EC-12)配合」とのことですが、カルシウムの配合量がわずか10mgという衝撃の少なさでした。
カルシウムの配合量で賦形剤(=ふけいざい=サプリの形状をつくるためにカサ増しする添加物)の割合も判断できますので、このカルシウムの少なさを考えると、賦形剤の割合が結構多いのだと推測できます。
乳酸菌末も入っていますが、「カップヨーグルトに換算して約50個分」という換算値だけで、実際の数値は不明です。菌ですのでμg単位じゃないかなと思います。葉酸を活性型にしてくれたり、非ヘム鉄(ピロリン酸鉄)の吸収を助けてくれるビタミンCは入っていません。同時間帯に別途ビタミンCを摂取しないと、効率が悪くなってしまいます。
カルシウムの配合量が少なすぎます。ビタミンCも別途補う必要もあります。
結論:品質管理体制が不明で、栄養バランスもイマイチ。
株式会社ベネッセコーポレーションの「鉄+カルシウム+乳酸菌(EC-12)配合 葉酸サプリ」ですが、妊婦向け雑誌「たまごクラブ」、育児向け「ひよこクラブ」などを発行していて、妊娠、出産、子育の時期にはお世話になる会社です。
ですが、2014年7月に発生した国内最大規模の個人情報漏えい事件で、信頼性がかなり揺らいでしまっています。情報漏洩問題と、商品の品質はまた別問題ですので、商品の品質に特化して見ても謎な部分があります。
特に、問題なのは工場での製造・品質管理体制の情報が何も開示されていない点です(2014年10月時点)。サプリメント選びの際はどんな工場で製造されているのかは非常に重要なチェックポイントです。特に厚生労働省は「GMP認定工場で製造されているかの確認」を、サプリメント選びの優先条件として挙げています。
GMP認定工場で製造されていれば、原材料の入荷→製造→出荷までのすべての過程において、商品が安全に作られ、一定の品質が保たれます。しかし、ベネッセの葉酸サプリは製造工場や品質管理の情報が何もありませんでした。
サプリメント自体は、製薬会社×ベビー用品のコンビ株式会社×たまひよSHOPの3社で共同開発しています。コンビ社が特許を取得している「EC-12」という乳酸菌が使われているのが最大の特徴です。
しかし、商品名にもあるカルシウムの含有量がたった10mgしかありません。カルシウムの配合量で余計な賦形剤の割合も減りますので、商品名にカルシウムと付けたならもっと配合して欲しかったところです。鉄とビタミンCはセットで摂りたいところですが、ビタミンCも配合されていません。
原材料の安全面自体はほぼ問題ありませんが、栄養素の配合バランスが微妙ですし、工場の生産体制も不明です。本当に原材料が正しく使われているのか、衛生管理ができているのか、品質は一定に保たれているのか、などが判断できないサプリメントです。消費者にわかりやすい情報開示をお願いします。
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