葉酸サプリクラブ管理人(サプリメントアドバイザー&サプリメントマイスターの笹目)です。
大塚製薬株式会社「ネイチャーメイド葉酸150粒」ですが、粒が大きくて飲みにくいといった口コミを散見します。それ以外に妊娠中の妊婦でも安全なのか、添加物の内容など危険性はないのか、サプリメントのプロが辛口でレビューしていきます。
大塚製薬の「ネイチャーメイド葉酸」をプロが辛口チェック
- 注文→到着→梱包の配慮
ネイチャーメイドは薬局・ドラッグストアでも売っていますが、同じネイチャーメイドシリーズの「スーパーマルチビタミン&ミネラル」「マルチビタミン&ミネラル」も一緒に注文したかったので、公式通販で購入しました。
日曜日に注文して、3日後の水曜日に届きました。3商品一緒に注文したので、高さのある大きめのダンボール箱に入っています。品名は「オオツカプラスワン商品」で、何を買ったのかはわかりません。箱を開けると、大きなエアクッションが入っていましたが、3つの商品が右に寄っていて、あまり丁寧な梱包ではありませんでした。
注文から到着までは早くもなく、遅くもなく、平均的な日数です。商品名の記載はなくて、サプリなのか何なのかもわからないように配慮されています。
- 飲みやすさ(粒の大きさ、ニオイ、味)
大きさ
幅1.0cm、厚み0.5cmで、ベルタ葉酸サプリよりも一回り横に大きいです。ニオイ
ビニールのようなニオイが若干します。味
口に含むとすぐラムネのように溶けだして、粉っぽくなりました。少しだけ小麦の味がしますが、味はそこまで感じませんでした。柔らかい感じの粒で、そんなに小さい粒ではないのに、意外と飲み込みやすかったです。
他の葉酸サプリと比べると、粒がやや大きい部類に入ります。ただ、ほぼ無味無臭に近いのと、馴染みのあるラムネのような触感なので、粒の大きさの割には飲みやすいです。
- 会社・代表者の信頼性
ネイチャーメイド葉酸を販売する「大塚製薬株式会社」は、1964年に徳島で設立され、健康の維持増進に役立つ商品を多数販売している会社です。2010年に東証一部上場し、世界81カ国で商品が販売され、連結売上9,600億円以上という巨大企業です。
主な商品として、ポカリスエット、オロナミンC、カロリーメイト、ファイブミニ、アミノバリュー、エネルゲン、ジェルブレ、ソイジョイ、ソイッシュ、ソイカラ、オロナインなどの超有名商品を販売しています。CMでもお馴染みな商品がズラリと並ぶ大企業です。
また、医薬品として、V2-受容体拮抗剤サムスカ、抗血小板剤プレタール、抗精神病薬エビリファイメンテナ、抗てんかん剤イーケプラ、ドパミン作動性パーキンソン病治療剤、レストレスレッグス症候群治療剤ニュープロパッチ、造血幹細胞移植前治療薬ブスルフェクス、抗悪性腫瘍剤スプリセル、胃炎・胃潰瘍治療剤ムコスタ、ドライアイ治療剤ムコスタ点眼液、など一般商品者には聞き慣れない医薬品も多数販売しています。
代表は岩本太郎さん、会長は大塚明彦さん。ホームページには「これからも革新的な発想やアイデアで新しい製品を創り続け、人々の健康に貢献していきます。」と顔写真付きで社長あいさつを寄せています。
ものまねをしない研究開発、アフガン難民をサポートする「大塚ウエルフェアクリニック」などの社会貢献活動、環境に配慮した製品・サービス作りなど、会社を知るためのコンテンツもたっぷり用意されています。とても透明性のある企業です。
商品、会社の知名度、実績は申しぶんないです。
- 製造・検査体制
製薬会社ですので、品質管理体制は抜群です。GMPにはもちろん準拠しています。トレーサビリティシステムでの情報確認や、中国産の食品の安全確認も行っています。
また、商品情報は担当者のみが知っている状態ではなくて、各管理部がオンラインで情報共有し、顧客対応できる社内ネットワークを構築しています。お客さま相談室には年間4万件の問い合わせがあるそうですが、これに対応できているということです。品質・製造管理は完璧と言って良いでしょう。
グローバルに展開する製薬会社の本気を感じられます。
- 原材料(添加物)の信頼・安全性
乳糖、セルロース、ショ糖脂肪酸エステル、葉酸
乳糖(凝固剤)、セルロース(製造用剤)、ショ糖脂肪酸エステル(乳化剤)・・・葉酸以外すべてが添加物です。「サプリメントの正体」という書籍で「99.9%が添加物のカタマリ」と酷評されているサプリメントです。
乳糖
オーガニックレーベルの葉酸と同じく、乳糖が使われています。ネイチャーメイドの場合は主原料が乳糖ですので、乳糖や牛乳などに抵抗力がない人はピーピーゴロゴロする可能性が、オーガニックレーベルの葉酸よりも高いです。乳糖への抵抗力だけではなく、乳製品アレルギー持ちの人にもアレルゲンとなりますが、基本的にはアレルギーが出ることはないと言われています。ただし、敏感な人はアレルギー反応が出る可能性もありますので、注意が必要です。厳密に言うと、乳糖は添加物ではなくて食品に分類されますが、サプリメントに使われる場合は粉を固める目的で使われます。
セルロース
製造用剤とは、サプリメントの形成上必要なものです。セルロースは安全性の高い製造用剤です。ショ糖脂肪酸エステル
ショ糖脂肪酸エステルは、DHCの葉酸、ヤマノ葉酸サプリ、小林製薬の葉酸 鉄 カルシウムにも使われている乳化剤です。一部で「妊娠中に飲むと赤ちゃんが奇形になる」だとか出所不明の情報が出回っていますが、そのような証拠はありません。対ヒトへの臨床試験もしていないのに、情報の歪曲にもほどがあります。(参照:サプリメントに含まれている「ショ糖脂肪酸エステル」という成分は安全なのでしょうか。 | 国立保健医療科学院)
ただし、一日摂取許容量(ADI)が20mgまでになっていますので、積極的に摂り入れるべきではありません。危険な添加物は使われていませんが、99.9%が何の栄養もない原材料で構成されてしまっています。
危険性はありませんが、原材料の99.9%が栄養素ではありません。
- 配合成分の過不足
大塚製薬のネイチャーメイド葉酸は、鉄が配合されていませんので、妊娠準備中~妊娠初期までの葉酸サプリとして成分チェックしていきます。
ネイチャーメイド葉酸 推奨摂取量 平均摂取量 耐容上限量 判定 葉酸(μg) 400 640 243 1000 ビタミンB6(mg) 0 1.2(1.4) 0.95 45 ビタミンB12(μg) 0 2.4(2.8) 4.3 なし ビタミンC(mg) 0 100(110) 69 なし 鉄(mg) 0 6.5(9) 6.5 40 カルシウム(mg) 0 650 430 2500 葉酸の種類は、モノグルタミン酸型の葉酸(合成葉酸)です。
摂取できる栄養素は葉酸しかありません。厳密には、エネルギー、タンパク質、脂質、炭水化物、ナトリウムなどもサプリメントに含まれますが、サプリメントととして摂取できる栄養成分は葉酸だけしかありません。
しかも、葉酸と強力関係にあるビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンCも含まれていません。ビタミンというのは単体で働くものではなくて、それぞれが協力し合って初めて有用に働きます。
食事のタイミング(サプリメントの摂取タイミング)でビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンCが摂取できていれば良いのですが、そうでない場合に体内で有用に働くかは疑問な成分配合になっています。また、鉄もカルシウムも含まれていませんので、「添加物のカタマリ」と言われても仕方がないです。
ちなみに、大塚製薬で栄養価の高いサプリメントは「マルチビタミン&ミネラル」があります。ビタミン12種類、ミネラル7種類をバランス良く配合していて、葉酸単体サプリとは栄養価が全く異なります。しかし、今度は肝心の葉酸が240μgしか摂れませんので、妊婦向けの葉酸サプリメントとしては物足りないです。
栄養素は葉酸だけで、非常にバランスが悪いです。
結論:添加物のカタマリを飲みたい人はどうぞ。
大塚製薬株式会社「ネイチャーメイド葉酸150粒」ですが、会社の信頼性、ネームバリュー、商品力、品質管理体制は素晴らしいです。世界中で商品を販売している製薬会社なだけあります。
ですが、この「ネイチャーメイド葉酸」に関しては、栄養補助食品というより、「添加物補助食品」状態の原材料内容になっています。添加物のカタマリだからと言って危険ではありませんが、栄養がないのです。
ビタミンも添加した時点で添加物になりますが、どうせ添加するなら栄養強化剤であるビタミンやミネラルを添加して欲しいところです。
栄養を強化してくれない添加物(賦形剤=ふけいざい=サプリの形状をつくるためにカサ増しする添加物)は極力減らさないと、栄養補助食品と言えるのか微妙な存在になってしまいます。
ビタミンやミネラルは単体で働くものではなくて、体内でお互いに協力し合って、バランスを取り合いながら働いていきます。ですので、例えばつわりの時期で何も食べれていない場合は、このネイチャーメイド葉酸で葉酸だけを摂っても体内で有用に働くことはないでしょう。バランス良く食事を食べられていないと意味がありません。
ネイチャーメイドシリーズの「マルチビタミン&ミネラル」「スーパーマルチビタミン&ミネラル」もありますが、葉酸が240μgしか摂取できないため、妊活・妊婦用としては使えません。
また、原材料の大部分に乳糖を使っているのも、日本人に多い乳糖の抵抗力がない人への配慮が欠けた配合内容となっています。乳製品アレルギーを持っていない人であれば、危険性のある添加物は何も使われていませんので、妊娠中の妊婦さんでも安全・安心できるものです。
ですが、栄養を補助するサプリメントとして自信を持っておすすめできるか?というと、ちょっと厳しいです。もっと栄養素の高いサプリメントを選ぶことをおすすめします。