天然素材で無添加の葉酸サプリメントが安全だと勘違いしている人へ

葉酸サプリクラブ管理人(サプリメントアドバイザー&サプリメントマイスターの笹目)です。

「化学合成ビタミンを使わない天然素材の葉酸サプリメントは安全です!」だとか、「添加物の入った葉酸サプリメントは危険だから、無添加のものを選びましょう!」みたいな、天然素材を強調して高額なサプリメント売るメーカーと、一般消費者を装ったその販売部員たちの偏向記事に洗脳されていませんか?この記事を読んで洗脳を解いてください。

なぜ、人は「天然素材で無添加なら安全」だと信じてしまうのか?

これはやはり何となくの言葉のイメージが大きいと思います。「自然」「ナチュラル」「オーガニック」と聞くと、言葉自体に安心感を感じてしまいます。

この人間心理を巧みに利用しているのが、自然派を売りにして商売に繋げているメーカーと、その代理店です。あとは、ネットワークビジネスや宗教関係者も自然派をウリにして勧誘することが多いです。つまり、何となくの言葉のイメージで、売り手側の戦略にまんまとハメられているのです。

私はプロのサプリメントアドバイザーであり、アフィリエイターでもあります。何か特定のメーカーのサプリメントを売らなければいけないという縛りはありません。自由の身です。また、当葉酸サプリクラブは妊活中・妊娠中の人を対象としたサイトです。口に入れるものに人一倍気を使う時期に、読んでいただくことを想定して運営しています。

ですので、間違った情報を書いてしまわないように、サプリメントについて日々勉強しています。自分の利益を優先して嘘ばかり書いている嘘サイトとは根本的に違います。まずは、オーガニックで天然・自然素材で無添加なら安全!という「誤解」を解くのが仕事だと思っています。

注意すべきなのは、天然素材を必要以上に強調しているサプリメント

インターネット上で葉酸サプリメントについて調べてみると、「化学合成されたサプリメントは危険!だとか「添加物の使われているサプリメントは危険!」だとか、やたら危険を煽って天然素材のサプリメントを買わせようとする情報が多く見られます。理由は簡単で、天然素材のサプリメントメーカー関係者が書いているからです。

しかし、サプリメントの書籍ではそのような極端な二項対立で、天然素材と合成素材の議論はされていません。実際には下記のように書かれています。

一般的に天然のもののほうが安全だと思われがちであるが、(中略)自然素材の中にはアレルギーや薬剤性の肝障害を起こすものもある。
引用:「サプリメントアドバイザー養成講座サプリメント編P21-22(日本ニュートリション協会)」

「天然」「食品だから安全」「副作用なし」とあっても安全とは限らない
引用:「一個人-最新サプリメントの真実-2013年10月号P92(KKベストセラーズ)」

一概に、天然由来の原料がよくて、合成原料はよくないと申し上げるつもりはありませんが、私は「安価な合成品のサプリメント」は避けたほうが無難だと考えています。
引用:「サプリメントの正体P69(東洋経済新報社)」

危ないサプリメント11ヶ条
8条「天然素材」「特許取得」などの冠言葉でやたらと誇張したもの
→言葉の持つイメージや思い込みによって、根拠のない信頼感を抱いていないか。

引用:「サプリメント健康バイブルP288(小学館)」

世間では”天然のもののほうがからだによい”というイメージがありますが、合成された成分だからからだによくないことはありません。
引用:「女性のためのパーフェクトサプリメントブックP100(主婦の友社)」

「天然」と「合成」の違いが体への有用性の差にならず、「天然だから高価格、高価だから高価も高い」ということにはなりません。
引用:「最新サプリメントかんたん事典P36(技術評論社)」

なんとなく「天然だから安心」という、自社製品の宣伝のために他社製品に根拠のない誹謗を行っている一部の業者に踊らされているだけではないかと思います。
引用:「ほんとうの「食の安全」を考えるゼロリスクという幻想P29(化学同人)」

1.天然自然のものだから安全と思い込むのは間違い
引用:「健康食品中毒百科(健康食品による健康被害を防止するための13箇条)」

以上のように、どちらかと言うと天然素材をやたら強調しているサプリメントに注意喚起をしています。また、合成素材が悪いのではなくて、「安価の」合成素材サプリメントが悪いという意見もあります。100円ショップで売っているような怪しいサプリメントのことです。そして、厚生労働省も「天然・自然」という言葉に惑わされないように注意喚起をしています。

「天然・自然です」とうたうことが、その製品の安全性や有効性を証明するものではありません。天然由来製品の特徴をよく理解して、「天然・自然」の言葉にまどわされないようにしましょう。

引用:「健康食品の正しい利用方法」厚生労働省医薬食品局食品安全部

これを見てもまだ天然素材で無添加の葉酸サプリメントにこだわりを持ちますか?

もちろん、明らかに不要な添加物(人工甘味料など)は使われていないほうが良いです。しかし、何でもかんでも一括りにして「添加物は悪」「化学合成は悪」と決めつけた情報を信用するのは、さすがに短絡的すぎると思います。サプリメントの専門書籍や厚生労働省は天然・自然素材が安全などという「デマ」は書きません。

ネット上の一部の極端なデマ情報を発信しているのは、サプリメントメーカー側の人間か、それに洗脳されてしまっている人の偏向記事であると言わざるを得ません。

また、そういう「天然商法」の情報に踊らされてしまう一方で、お医者さんが勧める「薬」は安心して飲んでしまうという矛盾も見受けられます。薬こそ自然界には存在しない「化学合成のカタマリ」で、ほとんどが石油から作られています。サプリメントと違って、必ず副作用があります。

葉酸サプリメントは他のサプリメントとは「逆」になります。

一般的なサプリメントは、天然素材のほうが良さそうなイメージがありますが、葉酸の場合は逆です。嘘情報に注意!葉酸サプリメントの間違った選び方でも書きましたが、食事から摂れる天然の葉酸は、体内での利用効率が50%程度に低下してしまいます。化学合成の葉酸は体内利用効率が85%と高くなります。

そのため、厚生労働省は妊娠1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月目までは、体内利用効率の高い化学合成葉酸を「食事からの摂取に加えて」サプリメントで補うように推奨しているのです。

しかし、今度は「合成葉酸だと添加物が多いから危険」などと煽っているサイトもあります。まさか、添加物はすべて危険だと思っている人はいませんよね?添加物の中でも「危険な添加物」と「安全な添加物」があります。

危険な添加物というのは、発がん性の疑いがある添加物や催奇形性(妊娠中に摂取すると、胎児に奇形を発生させる可能性があること)のある添加物です。これらは避けなければいけません。

一方、安全な添加物というのは、元々食品に含まれていて、動物実験などでも危険性が見られない添加物のことです。例えば、合成のビタミン類がそうです。「合成の葉酸」も立派な添加物ですが、もちろん安全です。

それにも関わらず、原材料のチェックもろくにせずに「天然ではない=合成=添加物=危険」と短絡的に決め付けて、危険を煽っているサイトが山のようにあります。

さらに、そういうサイトは、添加物が使われているサプリメントでも「無添加」「天然素材100%」などと嘘を書いていることも多いです。メーカーの都合の良い表現をそのまま受け取り、消費者視点に立った真実の記事を書いていないのです。

例えば、添加物を使っていないようなイメージのある「美的ヌーボ」「ベルタ葉酸サプリ」にも普通に添加物が使われています。ちゃんと冷静な目で真実を見極められるようになってください。

もし、農薬たっぷりの野菜や果物から抽出していたら・・・安全ですか?

そもそも論として、天然(自然)素材か化学(合成)素材かで、安全かどうかは計れません。わかりやすい例で言えば、「じゃがいも」「キノコ」「フグ」です。いずれも天然ですが、じゃがいもの芽には毒がありますし、毒のあるキノコもありますし、フグも毒を持っています。毒は安全ではないですよね?

他に「ヒ素」も自然界に存在する物質ですし、「タバコ」はナス科の植物から作られています。ヒ素をカレーに入れて多数の犠牲者を出した事件もありましたし、妊婦なのにタバコをパカパカ吸う人はいないでしょう?「自然=安全」という考えはあまりにも浅はかなことに気づいてください。安易な言葉のイメージに惑わされないことです。

また、天然素材のサプリメントは不純物混入の可能性があります。不純物というのは、成分表に書かれていない成分です。これが天然素材の良いところでもあり、不安なところでもあります。その良し悪しはともかく、余分に成分が入っているのが天然素材の特徴です。

例えば、化学合成品は当然ですが、農薬混入の心配はありません。しかし、天然素材の野菜や果物を使用している場合はどうでしょうか?メーカー側は、「そのまま潰して使用しているのではないから、抽出している段階で農薬混入の心配はない」と言います。

確かにそうなのかも知れません。しかし、メーカー側は、使用されている天然素材はどのように栽培されたのか公表していないですよね。わかりやすく極端な例を出しますが、もし農薬や化学肥料をたっぷり使用した天然の野菜や果物から抽出していた場合、本当に「安心・安全」と思いますか?

また、「無農薬」の素材を使っていたとしても飛散農薬の影響を受けている可能性もあります。飛散農薬とは、自分は無農薬で栽培していても、近隣の畑が農薬を使っていて、その巻き添えを食らってしまうことです。ですから、「無農薬」も安心アピールにはなりません。チェックすべきは残留農薬の「検出試験済みかどうか」です。

「天然・自然であること」は安心・安全とは何の関係もありません。

結局、重要なのは天然か合成かではなくて、「製造・管理・検査体制が行き届いているかどうか(工場の規格がGMPであるかどうか)」です。合成素材の場合は工場の管理体制のチェックだけで良いですが、自然素材の場合は、残留農薬や放射性物質の不安があります。商品を開発・製造する会社の信頼性も見る必要があります。

また、原材料や添加物のチェックは、メーカーの売り文句を鵜呑みにするのではなくて、ホームページやラベルの裏をしっかりチェックする必要があります。

そして、サプリメントで問題なのは、栄養素の「過剰摂取」です。「よく見たらアメリカ基準の成分量で、日本基準だと過剰摂取になってしまう・・・」というサプリメントも売られていますので、注意が必要です。

ということで、「天然素材で無添加の葉酸サプリメントが安全」という単純思考は間違いで、合成、天然問わず「製造・管理体制が行き届いていること(GMP工場)」「添加物は安全なもののみ使われてること」「栄養素の過剰摂取の心配がない成分量であること」「販売会社自体が信頼できること」などをチェックすることが大切であると覚えてください。