葉酸サプリのデメリットや悪影響に関する説を解説。過剰摂取しても大丈夫って本当?

葉酸サプリクラブ管理人(サプリメントアドバイザー&サプリメントマイスターの笹目)です。

葉酸サプリクラブでは、良いことだけでなく悪いことも包み隠さずお伝えして、納得してもらった上で葉酸サプリを飲んでもらいたいと思っています。そこで、今回は葉酸サプリのデメリットや、過剰摂取時の悪影響、トラブルなどをQ&A形式でわかりやすく解説していきます。

「複数の成分でできたサプリ危険説」を解説

マルチビタミンミネラルタイプの葉酸サプリは、複数の成分でできているから、成分の相互作用の危険があるって本当?

一つの成分のサプリでは体内でうまく吸収されません。

解説複数の成分からできていたら危険・・・だったら、世の中のあらゆるものが危険です。自然界の食べ物なんてサプリの比ではありませんし、人間のカラダも複数の化学物質で構成されています。複数の成分が自然であり、単体成分のサプリのほうが不自然です。

単体の成分って、もはや自然界に存在しない人工的に作られた「薬」ですよね。薬も原材料に添加物は複数使われますが、成分は一つだったりしますので、その観点で話を進めます。

なぜ、薬は1日に何回も分けて飲んだり、毎日同じタイミングで飲む必要があるのかと言うと、成分が単体なので相互作用が期待できずに、体内で「異物」扱いされてうまく吸収できないからです。だから、決められたタイミングに飲んで、体内に留まっている時間を力技で継続させようとするのです。単体成分というのは、人体にとって不自然な異物なのです。

栄養素というのは相互に協力して働きます。特に、葉酸が所属する「ビタミンB群」なんて典型です。非ヘム鉄の吸収にはビタミンCが必要ですし、カルシウムの吸収にはビタミンDが必要です。栄養素は単体ではなくて、複合体からバランスよく摂取するのが正解です。これは地球上にいる生物が46億年かけて歩んできた自然の摂理であり、真理です。

複数の成分が危険と言うなら、普通の食べ物はすべて複数の成分でできていますので、この理論では食べられるものがなくなってしまいます。一方で、こんな疑問が湧くかもしれません。

「サプリは食物と違って添加物が使われているでしょ?添加物って自然界のものじゃないし、そんなものを複数摂ったら相互作用で悪影響を及ぼすんじゃないの?」

と。これに関しては、内閣府の食品安全委員会が次のように否定しています。

食品添加物や農薬どうしの場合、人が摂る量はADI以下であり、このようにごく少量の化学物質は体内にいつまでも残るものではなく、分解されたり排出されたりして体からなくなります。また、体に作用しない濃度の物どうしが体の中で一緒になっても、新たに有害な作用が起こるとの研究結果はありません。したがって複合影響による健康被害の可能性は極めて低いと考えられています。

参照:【PDF】科学の目で見る食品安全委員会

サプリで気をつけるのは添加物だけではなくて、原材料に含まれている自然食材も同様です。色々な自然素材が複数使われていますので、安全性に問題はないか、妊婦でも摂取して大丈夫な素材なのかをチェックします。これがサプリメントアドバイザーの仕事です。

「胎児へ及ぼす影響不明説」を解説

葉酸サプリは、赤ちゃんにどんな影響を与えるかわかっていないから危険って本当?

世界中の研究で良い影響を与える栄養素であることがわかっています。<br />

解説そもそも、なぜ「妊娠前から葉酸を摂ろう!」という風潮になったのかというと、諸外国の研究において健康的な赤ちゃんの発育に欠かせない栄養素とわかったからです。1988年のアメリカのアトランタで、妊婦に対して葉酸を含む総合ビタミンサプリメントを使った研究から全てが始まりました。


出典:https://www.mhlw.go.jp/www1/houdou/1212/h1228-1_18.html

その後も、アイルランド、イギリス、キューバ、ハンガリーで「サプリメント」を使った研究が行われて、素晴らしい結果が出ています。どんな影響が出るかわからないとか、世界中の研究結果を否定しかねません。

「栄養機能食品の基準値超えたら危険説」を解説

葉酸は栄養機能食品の基準(200μg)が安全で、この基準値を超えると危険性が高まると聞いたのですが、本当でしょうか?

完全なる嘘です。

解説まず、栄養機能食品とは、

身体の健全な成長、発達、健康の維持に必要な栄養成分の補給・補完を目的とした食品であり、高齢化、食生活の乱れなどにより、通常の食生活を行うことが難しく、1日に必要な栄養成分を摂れない場合に、その補給・補完のために利用する食品である

参照:食品衛生法施行規則第21条第1項第1号

のことです。通常の食生活で足りない分を補うための量であり、妊活中や妊娠中のような通常とは異なる食生活のためではありません。200μgでは足りません。

また、栄養機能食品の上限量は、安全性を保証するための数値ではありません。過剰摂取への対応は栄養機能食品かどうかではなくて、「食事摂取基準」で定められた「耐容上限量」内かどうかで判断します

さらに、栄養機能食品は国への登録も申請も要りません。企業の自己申告で表示できます。嘘でも「栄養機能食品の上限内」と書けてしまいます。なので、本当にパッケージに記載のとおり配合されているかは、GMP準拠の工場で製造されているかどうかで判断する必要があります。

葉酸の過剰摂取にならない安全値は「1日1,000μg」までです。妊娠計画中~妊娠3ヶ月目までにサプリメントで摂取すべき量は「1日400μg」です。200μgでは足りませんし、危険でもありません。ダマされないようにしてください。

「添加物が赤ちゃんに悪影響出る説」を解説

葉酸サプリに使用されている添加物が、胎児に害や悪影響を及ぼすのではないかと心配。本当に大丈夫なの?

普通の食品、食事の危険性のほうに危険がはらんでいる。と言っても言い過ぎではないです。

解説「添加物=悪、危険」というのは、単なるイメージ論で一括りにして語っていませんか?添加物の中にも、危険性があり使用禁止になったもの(チクロなど)、妊娠中に飲むと胎児への危険性が疑われているもの(アスパルテームなど)、安全性の高いもの(プルランなど)色々あります。

当・葉酸サプリクラブでは、危険性の疑われている添加物が使われていないかチェックしていますので、そういったサプリを避ければ過度な心配無用です。

また、危険性の疑われている添加物にはADI(一日摂取許容量)がWHO(世界保健機関)によって定められています。ADIというのは、「この量なら一生食べ続けても影響はない」と言われている数値です。

例えば、アスパルテームの場合は体重1kgあたり40mgまでが安全範囲です。体重50kgの女性なら2,000mgです。アスパルテームは砂糖の200倍の甘さのある人工甘味料です。葉酸サプリの中に2,000mgもアスパルテームを配合していたら、とんでもない甘さになります。つまり、ADIを超えるほどの量は入っていないということです。

ですが、人工甘味料は明らかに健康のために飲むサプリには不要ですので、当サイトでは人工甘味料が入っているだけで厳しく「C評価」判定しています。

はっきり言って、コンビニ弁当、スーパーのお惣菜、インスタント食品、お菓子などのほうが添加物は圧倒的に多いです。原材料見てみてください。当サイトの葉酸サプリの基準で評価したらほぼ「C評価」になります。食べる量もサプリの粒なんかよりも圧倒的に多いです。

サプリメントの添加物を気にするのも良いですが、添加物を気にするのであれば、普段の食事の添加物も徹底して意識しないと意味があまりありません。そして、妊娠中は添加物なんかよりも、本当に気をつけるべき食品や栄養素や物質は多くあります

本当に気をつけるべき食品や栄養素

ビタミンA(レチノール)

妊娠3ヶ月以内または妊娠を希望する女性については、胎児への影響を考え、妊婦の推奨量を超えるような過剰摂取をしないよう、特に注意が必要です。

引用元:食品安全委員会:ビタミンAの過剰摂取による影響について教えてください。

大豆イソフラボン

妊婦(妊娠の可能性のある方を含む)が、特定保健用食品として大豆イソフラボンを日常的な食生活に上乗せして摂取することは、推奨できない。

引用元:【PDF】大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方(食品安全委員会)

メチル水銀(魚介類に含まれる)

お魚などを極端にたくさん食べるなど、偏った食べ方をすることで、水銀が取り込まれ、おなかの中の赤ちゃんに影響を与える可能性があることが、これまでの研究から指摘されています。

引用元:【PDF】これからママになるあなたへ お魚について知っておいてほしいこと(厚生労働省)

ビスフェノールA(缶詰に使われている)

妊娠されている方がこのような缶詰食品を多く摂取することにより、胎児がビスフェノールAに曝露する可能性があります。

引用元:ビスフェノールAについてのQ&A|厚生労働省

トキソプラズマ(生肉に潜む寄生虫により感染)

妊娠中に初めて感染した場合、母親から胎児への垂直感染(胎盤感染)により、流産や、胎児が感染することにより先天性トキソプラズマ症が発生する可能性があるので妊婦の方は注意しましょう。

引用元:食品安全委員会:食中毒予防のポイント

リステリア菌(生ハム、ナチュラルチーズ、スモークサーモンなどから感染)

妊婦が感染すると、リステリアが胎盤や胎児へ感染し、流産や生まれた新生児に影響がでることがあります。

引用元:リステリアによる食中毒 |厚生労働省

これらは、天然サプリメーカーやその回し者が「添加物は危険です!」とか言っているレベルではなくて、食品安全委員会や厚生労働省といった公的機関が「妊婦は気をつけるように」と発信しています。添加物よりもこれら普通の食事や食品からのほうが、胎児への影響が明確になっているのです。

また、「オーガニックレーベルの葉酸」のように添加物は一切使っていないのに、妊婦にヤバイ自然素材がたくさん使われている葉酸サプリもあります。(参考:ミーロード「オーガニックレーベルの葉酸」の口コミ

妊娠中に胎児のことを考えて添加物に気を遣う姿勢は良いと思いますが、普通の食品・食事にも危険は潜んでいることを忘れないでください。

「水溶性ビタミンだから摂り過ぎの心配ない説」を解説

葉酸は水溶性ビタミンだから尿になって体外に排泄されるので、過剰摂取しても害はないって本当?

嘘。モノグルタミン酸型は摂取上限量を守りましょう。

解説基本的に、水溶性ビタミンは摂り過ぎても体外に排泄されます。しかし、水溶性ビタミンの中でも例外があり、葉酸は耐容上限量が設定されています。

普通の食事から摂れる「ポリグルタミン酸型葉酸」には耐容上限量はありませんので、過剰摂取の心配はありません。一方で、サプリメントに添加されている「モノグルタミン酸型葉酸」には耐容上限量が1日1,000μgまでと設定されています。

これは、妊娠後期に1日に1,000μg以上のモノグルタミン酸型葉酸を摂取し続けると、リスクがあるためです。海外では高用量の葉酸摂取を推奨している国もありますが、日本では安全性を重視して400μgの推奨量に留めています。

また、葉酸の摂り過ぎはビタミンB12が欠乏している場合に、欠乏がわかりにくくなる原因にもなります。ですので、葉酸は水溶性だから摂り過ぎても大丈夫というのは嘘です。

「長期間摂り過ぎたら過剰摂取になる説」を解説

妊活期間が2年を超えてもなかなか授からないのですが、葉酸をずっと摂り続けて過剰摂取になりませんか?

2年くらいでは長期間にすらなりません。

解説日本では、合成葉酸(folic acid)の摂取は「妊娠を計画」している段階、つまり、妊活開始と同時の摂取を推奨としています。ですが、葉酸の有用性を世に広めるきっかけを作ったアメリカでは、「妊娠可能な年齢のすべての女性」に、1日400μgの葉酸摂取を推奨しています。

妊娠可能な年齢・・・初潮を迎えたら妊娠可能ですよね。つまり、早い人では小学生からの摂取を開始することになります。なので、アメリカでは小麦粉やパンといった日常的に食べる食品の中に、葉酸が添加されているのです。

実際、結婚には法律の問題もありますので、さすがに小学生は必要ないですが、中学生からは普通に必要性が出てくる人がいます。日本でも女性は16歳から結婚できますし、なかなか授からない人は40歳くらいまでは飲み続けることになります。ですから、2年やそこらは「長期間」にすらなりませんので、気にせず毎日飲み続けてください

そもそも論になりますが、長期間摂取してダメな場合は、厚生労働省が「ダメ!」と言いますので、何も言われていないことをあれこれ気にしないことです。日本は栄養素の過剰摂取においては、かなり安全性を重視していますので、余計な心配はいりません。

「食事と合わせたら過剰摂取になる説」を解説

葉酸サプリを間違って2日分(800μg)を1日で飲んでしまいました。野菜もたくさん食べているし、1日1,000μgの上限をオーバーして赤ちゃんに影響がないかと不安です(泣)

野菜から摂取した葉酸には耐容上限量はないから大丈夫。

解説1日1,000μgまでというのは葉酸サプリ(モノグルタミン酸型)だけでカウントします。野菜から摂れた葉酸は「ポリグルタミン酸型」ですので、1,000μg以上摂っても過剰摂取でカラダに不調が生じる心配はありません。

これは1998年から2005年にオーストラリアで行われた研究結果でも明らかになっています。(参考:Effect of supplemental folic acid in pregnancy on childhood asthma: a prospective birth cohort study.

なので、野菜から摂れる葉酸は、1,000μgの上限にはカウントしませんので、いくら摂っても大丈夫です。また、中には1日850μgの葉酸が摂取できる妊婦向けサプリメントもありますので、1日くらいサプリで800μg摂ってしまっても耐容上限量内ですし、何の心配もいりません。

ただし、2日分飲んだことで葉酸「以外」の成分も2日分になっていますので、他の栄養素が耐容上限量を超えている危険性はあります。それも1日くらいでしたら気にしないことです。気にし過ぎてストレスになるのが一番良くないです。以降気をつければ大丈夫です。

「食事の形をした加工食品の葉酸は摂り過ぎの心配ない説」を解説

葉酸サプリとヤクルトの「ミルミルS(葉酸240μg入り)」を毎日飲んでいます。ミルミルSは食品から摂れる葉酸だから、摂り過ぎの心配はないですよね?

ミルミルは合成葉酸です。飲み過ぎに注意。

解説ミルミルSの葉酸は、葉酸を添加していますので、野菜などから摂れる「ポリグルタミン酸型」ではなくて、サプリと同じ「モノグルタミン酸型」です。1,000μgの上限がありますので注意してください。

もし、ミルミルSを3食ごとに飲んでいたら240μg×3=720μgで、葉酸サプリ(400μg)と併用する場合、1,120μgに達してしまいます。また、1日1本だとしてもサプリと併用したら640μgですし、ミルミルSにはスクラロースが入っていますので、毎日飲むのもどうかなと思います。

他に、食事の形をした加工食品で葉酸が摂れるものとして、シリアル、ヨーグルト、牛乳、たまご、米などがあります。しかし、これら加工食品に含まれる葉酸は「モノグルタミン酸型」を添加しています。天然の葉酸とは違いますので、耐容上限量を超えないよう注意が必要です

しかも、サプリメントのように食事とは別に摂るのではなくて、食事の中に含まれてしまっていますので、「合成葉酸を摂取している」という自覚が起きにくいです。「食事の形をしているから天然葉酸だ。過剰摂取の心配もなく安全」といった間違った認識が起きやすく、サプリよりも過剰摂取リスクは高いと思います。

「鉄入りサプリ、妊婦が飲んだらヤバイ説」を解説

葉酸サプリに含まれている鉄分は取り過ぎたら危険らしいけど、妊婦が飲んでも大丈夫なの?

推奨摂取量を満たす量に抑えておけば大丈夫。

解説確かに、鉄は耐容上限量が40mgと低く、過剰摂取になりやすい栄養素です。特に小児(胎児ではない)が高容量(60mg)の鉄を摂取すると、最悪の場合「中毒死」に至る可能性もあります。

その一方で、WHO(世界保健機関)は、鉄を世界で最も欠乏が起きやすい栄養素であると発表しています。発展途上国では、鉄不足が原因で妊婦が死亡することさえあります。日本ではさすがに死亡までには至らないと思いますが、妊娠中はしっかり補っておきたい栄養素です。

鉄を過剰摂取にならずに補うポイントとしては、食事と合わせて推奨摂取量を満たす程度にすることです。サプリだけで推奨摂取量を満たしてしまうと、食事を加えると耐容上限量にかなり近づいてしまうからです。

鉄の場合は葉酸のように「食事から摂れた分には上限量はない」といった例外はありません。サプリと食事の合算値が上限になりますので、サプリだけで1日の耐容上限量の半分(20mg)を摂取できるような鉄配合の葉酸サプリは避けたほうが安全です。

「ヘム鉄を摂ると胎児が奇形になる説」を解説

妊娠中にヘム鉄を摂ると胎児が奇形になる。非ヘム鉄ならいくら摂っても害はない。という噂を聞いたけど、葉酸サプリに含まれている鉄は大丈夫なの?

大丈夫というか、嘘情報だから信じないように!

解説その情報をどこで知ったのかわかりませんが、とんでもない嘘です。おそらく、その誤情報は「ビタミンA」の話が歪曲されたものだと思います。

鉄を食品から摂るにはレバーが有用です。ですが、レバーにはビタミンA(レチノール)も大量に含まれていて、このビタミンA(レチノール)を妊娠初期に摂り過ぎると胎児の奇形の原因となります。(このあとのQ&Aでも触れます)

そこで、ビタミンAを動物性のレチノールではなくて、植物性のβカロテンで摂取すれば、体内で必要な量だけビタミンAに変換されるので、いくら摂ってもビタミンAの摂り過ぎの心配はないのです。このレバーに含まれる「鉄」と「ビタミンA」の話が巧妙に入れ替わっているわけです。

前述のように、鉄は過剰摂取に気をつける必要があります。非ヘム鉄ならいくら摂っても大丈夫なわけがありません。

なお、葉酸サプリに含まれている鉄は、「ヘム鉄」という表記がなければ、基本的に「非ヘム鉄」だと思って差し支えありません。ヘム鉄を使っている場合は「ヘム鉄」とはっきり書きますので。

吸収性を考えたらヘム鉄のほうが上です。そのため、非ヘム鉄の場合は吸収性を高めるために「ビタミンC」を一緒に摂る必要があります。葉酸サプリクラブでビタミンCの配合をチェックしているのは、鉄の吸収性をチェックするためでもあります。

「カルシウムの過剰摂取で胎児に影響出る説」を解説

牛乳やヨーグルトを毎日食べている場合、カルシウム入りの葉酸サプリだと過剰摂取になって胎児に影響は出たりしないの?

むしろ、ちょうど良い量になります。

解説牛乳200mlとヨーグルト1個80gで、カルシウムは約300mg摂れます。30代女性の平均摂取量は430mgですから、まだ平均摂取量にすら足りていません。毎日牛乳を飲んだり、ヨーグルトを食べていても、特別多くカルシウムを摂っているわけではなく、普通の摂取量だと思います。

葉酸サプリから200mg以上のカルシウムを摂取することで、推奨摂取量650mgに到達できます。これでちょうど良い量です。逆に、葉酸サプリからもカルシウムを補わないと、普通の生活では推奨摂取量に足りません。また、カルシウムの耐容上限量は1日2,500mgです。かなりの余裕がありますので、安心してください。

「天然の葉酸サプリでおしっこ黄色くなる説」を解説

天然の葉酸サプリ(美的ヌーボプレミアム)を飲んだら、黄色いおしっこが出ました。まっ黄色でした。飲み続けても大丈夫でしょうか?

大丈夫ですが、無駄に摂り過ぎです。

解説尿が黄色になるのは、ビタミンB2の摂り過ぎです。ビタミンB2は黄色い色をしているので、過剰に摂取すると尿が黄色やオレンジ色になります。

妊婦のビタミンB2の推奨摂取量は1.4mgですが、美的ヌーボプレミアムは100mgも含まれています。推奨摂取量の70倍です。明らかに過剰ですので、不要な分が尿となって排泄されているわけです。ビタミンB2に耐容上限量はありませんので、70倍摂取してもカラダに悪影響は及ぼしません

なお、美的ヌーボプレミアムの販売ページには、

尿が黄色いのはビタミンB2が体内にしっかり吸収されている証拠です。

と書かれていますが、「吸収されたあとに、余分な分が排泄されている証拠」が正解です。100mgも摂る必要ありません。

「高いサプリのほうが安全度高い説」を解説

やっぱり安いサプリよりも、高いサプリのほうが安全なの?

安全というより、質の高いサプリが多いです。

解説価格を重視すると、栄養素も含めて合成素材に頼らざるを得ません。合成ビタミンは危険でもなんでもありません。ただし、食事などから自然に摂取できる天然ビタミンと違って、添加(配合)しなければ、それ以外の栄養素は摂ることができません。

一方で、高いサプリは天然素材から作られているものが多いです。天然素材の場合は、栄養素単体ではなくて「チームで摂れる」という、より食品に近い自然な形で栄養素を摂れるメリットがあります

また、安いサプリは添加物の占める割合が多いです。ネイチャーメイドの葉酸なんて99.9%が添加物です。安くて当然です。(参照:ネイチャーメイド葉酸(大塚製薬)は妊娠中の妊婦でも安心して飲めるの?

かと言って、危険な添加物が使われているわけではありません。危険ではないのですが、サプリメント本来の目的である「栄養補助」という意味では、質の低いサプリとしか言いようがありません。ですので、「安いサプリよりも高いサプリのほうが質が高い」というのが正解です。

「ビタミンD、妊婦の目安量をサプリだけで摂取するの不安説」を解説

AFCの葉酸はビタミンDが7μg入っていて、妊婦の目安量そのものです。サプリと食事を合わせたら、過剰摂取になって胎児に悪影響が出たりしないの?

耐容上限量は100μgですから、上限には遠く及びません。

解説確かに、ビタミンDは脂溶性ビタミンであり、過剰摂取に気をつける必要があります。ビタミンDを摂り過ぎると、体内のカルシウム濃度が高まり、胎児の成長の遅れを引き起こす可能性があります。ただし、それは1日100μgを超えた場合の話です。

30代女性のビタミンDの平均摂取量は1日5.6μgです。ビタミンDには推奨摂取量は設定されてなくて、「目安量」に留まっています。妊娠中のビタミンDの目安量は7μgです。合計12.6μgで、耐容上限量100μgには遠く及びませんから、まったく心配いりません

むしろ、食事のみでは目安量に1.4μg足りていません。ビタミンDは妊活中や妊娠中に必要な栄養素であり、食事で足りない分はしっかり補う必要があります。

ビタミンDは食べ物以外に、日光を浴びることで体内で生成できる栄養素です。関東なら夏のお昼に3.5分、冬のお昼に22.4分、日光を浴びればそれだけで5.5μgを体内で生成できます。(参考:体内で必要とするビタミンD生成に要する日照時間の推定 -札幌の冬季にはつくばの3倍以上の日光浴が必要-国立環境研究所

妊婦の不足分は1.4μgですので、実際はもっと少ない時間でOKです。この体内で生成されるビタミンDは、過剰摂取にならないように体内で自動調整してくれます。

ただ、紫外線でシミやそばかすの原因になるというデメリットもありますので、そういう場合はきのこ類(きくらげ、しいたけ、しめじ)を意識して食べたり、ビタミンDも一緒に摂れる葉酸サプリで補うと良いです。

「葉酸摂取でアレルギー反応出る説」を解説

葉酸を飲んでアレルギー症状が出ることってあるの?

例外レベルのまれにあるようです。

解説2016年5月現在、アナフィラキシー症状(短時間のうちにアレルギー症状が出ること)の被害報告して確認できているのは、世界的に見てもたった4件です。

  1. 葉酸1.7mgを含む医薬品を摂取したケース
  2. ビタミンB剤にアレルギー経験のある女性が葉酸含有食品を摂取したケース
  3. 葉酸含有ビタミン強化食品でアレルギー経験のある女性が葉酸サプリを摂取したケース
  4. 葉酸380μgを含むサプリメントを摂取したケース

1件目は1.7mgという高用量に加えて医薬品なので論外。2件目と3件目は、元々ビタミンにアレルギー反応が出る人なので例外。

問題は4件目です。これは2009年に普通の女性でアレルギー反応が出ています。ですが、現在「葉酸380μgを含むサプリメント」の存在が確認できません。また、葉酸が原因なのか、サプリに含まれていた他の原材料が原因なのか不明です。

1日400μgの葉酸摂取が推奨されたのは、1992年のアメリカが最初です。それから世界各国でも推奨され、2000年になって日本でも推奨されるようになりました。

世界中で毎年、1億3,000万人の新生児が生まれる中で、1992年から世界中でまだ4件しかアレルギー症状の報告がないのです。これを見て「アレルギーの被害事例が出ているから、葉酸サプリは危険だ!」なんて考える人はいないでしょう。

一方で、健康的な赤ちゃんの発育に欠かせない栄養素が足りない状態で生まれる赤ちゃんは、日本だけでも年間約1,000人もいます。この1,000人の赤ちゃんを救うためにしっかり葉酸を摂取してください。

ただし、葉酸サプリの中には乳成分、オレンジ、りんご、キウイフルーツ、バナナ、もも、大豆など、食物アレルギーを起こしやすい特定原材料が入っている場合があります。これらにアレルギーを持っている人は注意が必要です。アレルギーを持っていない人なら問題ありません。

「葉酸サプリ飲んだら下痢ピー説」を解説

葉酸サプリを飲んだら下痢をしてしまいました。体質によって合う・合わないみたいなことはあるのでしょうか?

その葉酸サプリには「乳糖」が使われていませんか?

解説乳製品でゴロゴロピーピーしてしまう体質の人は、原材料に「乳糖」が使われている葉酸サプリは合わないです。特に、乳成分への感受性が高い人は、原材料の大部分が乳糖のような安い葉酸サプリを選ぶのは避けたほうが良いです。

以上、葉酸サプリのデメリットや悪影響に関する説を解説してみました。

「そもそも葉酸って何?」と、葉酸が何のことかわからない人は「葉酸とは何?いつからいつまで必要なの?妊婦の63.7%が摂取時期を間違っている現状」もあわせてお読みください。

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